当協会では本年6月1日から中心市街地の調査を開始致しました。
調査の目的としては中心市街地の定住化を促進するための空き家、空き地所有者の所有意識及び活用意向調査がその主体となります。定住化促進と申しましても土地建物の流通及び活用がなければその目的を実現することは出来ません。そのためには空き家、空き地の所有者に直接お会いしてその所有意識や今後どのように活用したいのかのご意向をお聞きし、その結果を行政資料としてこの越前市の土地行政に生かして貰いたいと考えるからです。
少子高齢化による人口減少は国全体で始まっておりますから、自治体間で人口の取り合いをしてもあまり意味がないと考えます。それよりも経済成長の過程のなかで郊外へと拡散した人口を一定の市街地へ集めることが重要な課題となります。

越前市中心市街地は約1,300年前に国府がおかれたことから、古くからのまちの中心として発展してきた市街地です。城跡、蔵、町家等の歴史的文化資源が数多く残されています。又、行政、文化、教育、医療、福祉などの公共施設や商業施設等の都市機能が集積している地域です。その反面前近代的な町割りの影響が今も残されており、そこに住み暮らす住民のプライドは高い。そして中心市街地の土地建物は私達のような不動産業者の流通経路に乗ることもありませんでした。

中心市街地に人口を集約するために何が求められるのか、これまでにも様々な議論が尽くされたきたと思いますが、地方自治体にとって財政面で残された時間的余裕はもうないと思われます。行政コストの削減は待ったなしの状況と言っても過言ではないでしょう。中心市街地の高齢化は予想以上に進んでおります。このことは調査活動を通して日々強く感じております。中心市街地の定住化促進は官民の境を越えて取り組まなければならない課題ではないでしょうか。
私達は所有者や管理者と直接お会いして対面で聞き取り調査を行っております。多少聞きにくいことも直接遠慮なくお聞きするようにしております。たとえば所有意識の調査における具体的な中身は解体する気があるのかないか、ないとすればなぜないのかなどです。失礼な話にはなりますがこれは上手く聞きださなければなりません。調査活動におけるロスも発生します。例えば実際にお会いしてみるとご本人の正常な判断能力が期待できないと認められる場合や相続登記が2、3代放置されていて事実上所有者の特定が困難を極める場合などです。このような場合には調査も中断せざるを得ません。少ないですけれど調査を拒否される場合も御座います。
しかしながらこの調査活動を通して中心市街地の土地、建物所有者の意識に前向きな変化が起き、土地、建物の利活用に一定のコンセンサスが得られるようになれば中心市街地の不動産流通の前提条件の一つは達成できると考えております。次にどのように郊外の住民を中心市街地に呼び込むかということに関しては次の機会に私達の考えを述べたいと思います。

(山口)

 → 越前市の四町地区が景観形成地区に制定されました
→ 中心市街地建築ラッシュ